【離婚】【親権】親権と監護権を分けるとどうなるの? あとから親権者変更ができるのは?

今回のブログでは、

①親権と監護権を分けることができるのか、

②親権者を変更できるのか

③親権者でなくなるとどうなるのか

④親権者は実際の養育者からいつでも子を引き取れるのか

⑤離婚後の子どもに関して苗字や戸籍をどうすればよいか

を解説していきます。

 

1,親権と監護権をわけることができるか。

(1)分けることは可能

親権と監護権を分けることは、法律上可能です。

しかし、離婚調停・審判において、親権と監護権の分属を認めるものは、1%にも達しません。

親権争いの妥協手段として親権と監護権の分属が認められることはありません。

親権と監護権の分属が認められるのは、

①父母が協力して共同監護していけるような場合

②子どもを現実に監護する父母の一方をただちに親権者に指定・変更するには不安があり、しばらく監護の実績を見る必要があるとき

等です。

なお、親以外の人を監護権者に指定することもできます。

 

2,親権の変更

(1)変更の可否

子どもの親権者が定められた後であっても、子どもの利益のため必要があるときは、家庭裁判所は、子どもの親族の請求によって、親権者を他方の親に変更することができます(民法819条6項)。

親権者の変更は当事者間の協議で行うことはできません。

必ず家庭裁判所の調停・審判によって行う必要があります。

また、離婚の際に当事者間で親権者は変更しないと合意していた場合でも、そのような合意は無効です

(調停で合意していた場合でも無効です)。

(2)変更の判断基準

親権者の変更は、先に親権者の地位を取得して監護の実績があるところで検討されます。

ですから,離婚の際の親権者の指定の場合とは事情が異なります。

すなわち、

単に親権者としての適格性や監護能力についてより優れているというだけでは足りず、

あえて親権者を変更しなければならないような特段の事情がある場合

 でないと、親権者の変更は認められないのです。

したがって、離婚の歳の親権者の指定よりも、親権者の変更の方が判断の基準は厳しいものとなります。

たとえば、親権者が子どもを虐待している場合や、子どもの監護・教育を放棄している場合等に、親権者の変更が認められます。

 

3,離婚して親権者でなくなると、どうなるのか?

親権者でなくとも、親であることに変わりはありません。そのため、親権者でなくとも、子に対する扶養の責任は免れません。

しかし、親権者でない場合は、携帯電話の利用契約や賃貸借契約といった法律行為の同意見・代理権、財産管理権は行使できません。

子どもの転校手続などもできなくなります。また、たとえば子どもが暴行事件を起こした場合の責任は原則として追及されません。

 

4,親権者は実際の養育者からいつでも子を引き取れるのか?

監護・教育を委託されて、実際に養育してきた祖父母や親族の下で生活が安定していたにもかかわらず、親権者が突然子どもの引き取りを主張してきた場合、養育している方は第三者に対する監護者指定審判を申し立てることができます。

親権者による引き取りが子どもの安定的な生活を害するならば、実際に養育してきた方が監護者として指定され、親権者の引き取りは認められない場合があります(福岡高等裁判所平成14年9月13日)。

また、親権停止審判を申し立てることも可能ですが、これはあまり認められにくい傾向です。

 

5,離婚後の子どもについて

(1)離婚後の子どもの苗字と戸籍について

離婚すると、結婚によって苗字を変えた者は結婚前の苗字に戻り(なお、離婚日から3か月以内であれば、婚姻中の苗字をそのまま使うことができます)、戸籍については自分が筆頭者となる戸籍を新しく作ることになります。

しかし、子どもの苗字や戸籍は、離婚によっては変動しません。子どもの苗字を変更し、戸籍を動かすためには、家庭裁判所の許可を得て、市町村役場に届け出る必要があります(民法791条1項)。具体的には、家庭裁判所で「子の氏の変更の申し立て」をすると、家庭裁判所が通常即日許可を出しますので、その許可証を持参して、市町村役場で入籍届の手続きをします。

なお、離婚の際に夫婦間で子供の苗字や戸籍を変更しないとか、親権者の苗字に必ず変更するなどと取り決めたとしても無効です。子どもが15歳未満の場合は親権者が、子どもが15歳以上の場合は子ども自身が決定することができます。

(2)親権者が再婚した場合、連れ子の親権はどうなるのか?

養子縁組をしないかぎり、継父母は親権者にはなりません。

 

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