【調停離婚】夫から自宅不動産を譲り受け、財産分与約1000万円、慰謝料100万円を取得し、調停で離婚を成立させた事例

事案の詳細

依頼者は、夫の不貞を知って離婚を希望した妻である。過去にも夫の不貞行為があったが、そのときは子が小さく夫も反省したので再構築をした。

その後、安定した夫婦生活を営んできたと思っていたが、ある日、夫が女性と親密なメールのやり取りをしていることを見つけてしまった。

不安になり、探偵に素行調査を頼むと、夫が二人の女性と不貞行為を行っていることが分かった。妻としてこれまで頑張ってきたにもかかわらず、大きく裏切られたと感じ、

今回は夫を許すことなく離婚に踏み切ることを決断した。

どのように動いていけばよいのか分からないので、弁護士に依頼したいとのことで受任した。

なお、不貞相手の女性に対しても慰謝料請求を行い、女性からも慰謝料を回収している。

 

争点

子はすでに成人済みであったが、大学生であったので、①養育費の金額、②大学の学費の負担割合、③財産分与、④慰謝料の金額が大きな争点となった。

 

解決方法

まずは、受任通知を送付して、当方の希望する離婚条件を提案した。相手方もすぐに代理人を就けたため、財産資料の開示が速やかに行われ、交渉は一定程度スムーズに進んだ。

養育費の金額や学費の負担割合については、早期に合意を得ることができた。しかし、財産分与の具体的な金額について大きな乖離があったので、離婚調停を申し立てて解決を図ることとした。

 

双方すべての財産資料について開示済みであったことから、裁判所に速やかに財産資料を証拠として提出した。調停では、財産分与の具体的な金額を主として話し合うこととなった。

依頼者は、現在住んでいる家を取得して離婚することを希望していた。代償金はいくらとなるのか、代償金を財産分与の中でどう処理するかが一番の対立点であった。

 

相手方が多額の金融資産を有していたことから、相手方の金融資産から自宅の代償金相当額を控除する形で財産分与の金額を計上することとなった。

それぞれの金融資産の金額について評価額で争いになることはなく、分与額の計算結果の争いとなり協議を進めた。

 

結果として、依頼者は、財産分与として自宅不動産を取得し、自宅以外には、財産分与として約1000万円の支払いを受けることとなった。

加えて、不貞行為の慰謝料として100万円の支払いを受けた。受任から解決までの期間は、8か月程度であった。

 

弁護士の対応・アドバイス

 

弁護士の対応

依頼者は早期離婚を希望したため、これを実現できるように、最大の争点となる財産分与に向けた資料の準備をすぐに依頼者にお願いした。

依頼者の対応が早かったこと、相手方も代理人を就けて早期に財産資料の開示をしたことから、すぐに財産分与の話に入ることができた。

これが、早期解決に繋がる一つの要因だったと思われる。

 

養育費や子の学費については、相手方が算定表や収入割合での負担を受け入れたことから早期に合意に至ることができた。

一番の争点となったのは具体的な財産分与の金額であるが、相手方の計算と当方の計算が合わず、当初は大きな金額の開きがあった。

しかし、調停に入り、再計算した結果、双方ともに計算に誤りがあったことがわかり、最終的には適切な分与額である約1000万円を受け取ることができた。

慰謝料については、すでに二人の女性から合計375万円を回収していたので支払いを受けられない可能性もあった。

しかし、当方の200万円の請求に対し、早期離婚の観点から相手方は100万円なら支払うと話したので、慰謝料については100万円で合意をした。

 

アドバイス

本事案は、依頼者が離婚に向けて積極的に収入資料や財産資料の準備を行ったことから、スムーズに離婚協議に入ることができた。

早期に離婚を実現したい場合には、財産資料の準備を積極的に行うことをお願いしたい。

 

また、今回は、財産の評価について争いとなることはなかったが、財産分与の対象に自宅不動産が含まれる場合、不動産評価について争いとなることが多い。

一般的には、複数社の簡易査定をとり、見積もりの平均値をとることが多いと思われる。不動産が財産分与の対象となっている場合には、不動産仲介業者に簡易査定を依頼しておくと、

争いとなった場合に話が進みやすいものと思われる。

財産分与が争点となる場合に、財産分与一覧表を個人で作成し、具体的な分与額の主張をしていくことは労力がかかるものであるし、

記入方法などについても不明なことが多いものと思われる。

また、相手方が出してきた財産資料の見方が分からないこともあるだろうし、相手の主張している評価額が正しいかどうか分からないことも多いことが推察される。

 

そのため、最大の争点が財産分与となることが想定される場合には、適切な財産分与を受けるために弁護士を代理人として離婚交渉を行っていくことをおすすめする。

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