60代で離婚する理由とは?貯金なし・一人暮らしの生活費や財産分与
- 離婚の原因

60代になると、長年の価値観の違いや定年後の生活の変化、子どもの独立などをきっかけに、離婚を考える人もいます。
60代の離婚では、夫婦関係の問題だけでなく、離婚後の生活費や住まい、財産分与なども踏まえて判断することが大切です。
この記事では、60代で離婚に至る主な理由や、離婚後の生活費、貯金なしで離婚する際に確認すべきことについて解説します。
目次
60代で離婚にいたる主な理由
60代で離婚にいたる背景には、長年の不満だけでなく、定年退職や子どもの独立など、生活環境の変化が関係しています。
ここでは、60代で離婚を考える主な理由について整理します。
長年の価値観・性格の不一致
60代で離婚にいたる理由として、長年の価値観や性格の不一致が挙げられます。
結婚当初は大きな問題と感じていなかった考え方の違いでも、長い夫婦生活の中で少しずつ不満として積み重なっていきます。
若いころは仕事や子育てに追われて見過ごしていた問題でも、60代になって夫婦だけで過ごす時間が増えると、改めて違和感を覚えるケースもあります。
話し合いをしても歩み寄れない状態が続けば、この先も一緒に生活することは難しいと感じ、離婚を現実的に考えるようになります。
定年退職後に一緒にいる時間が増えた
定年退職をきっかけに夫婦で過ごす時間が増えたことで、離婚を考えるようになるケースもあります。
現役時代は仕事で外に出ている時間が長く、夫婦の距離が自然に保たれていた家庭も少なくありません。
しかし、定年後に一日を同じ家で過ごすようになると、生活リズムや考え方の違いが表面化し、これまで気にならなかった相手の言動や生活態度が、負担に感じられます。
モラハラ・DV・不倫などへの限界
モラハラ・DV・不倫などがある場合、長年我慢してきた人が60代になって離婚を決意することがあります。
配偶者からの暴言や威圧的な態度、身体的な暴力、不倫が繰り返されている場合、夫婦関係を続けること自体が大きな負担となります。
若いころは、生活費や世間体、離婚後の生活への不安などから、すぐに離婚へ踏み切れない人もいるでしょう。
しかし、60代になって今後の人生を考えたとき、これ以上我慢して生活を続ける必要はないと考え、離婚を選択することがあります。
子どもの独立をきっかけに決意した
子どもの独立をきっかけに、離婚を決意する60代の人もいます。
子どもが未成年のうちは、親権や養育費、生活環境への影響を考え、離婚を思いとどまる人も少なくありません。
加えて、子どもに心配をかけたくないという理由から、夫婦関係に問題があっても我慢してきた人もいます。
子どもの独立後は、親としての役割が一段落する時期です。
そのため、自分自身の生活や将来を優先して考えるようになり、長年続いた夫婦関係を見直すきっかけになります。
老後への不安や将来観のズレ
老後の過ごし方に対する考え方の違いも、60代で離婚にいたる理由の一つです。
60代になると、今後の住まい、生活費、介護、年金、働き方など、老後に関する現実的な問題が増えていきます。
夫婦で同じ方向を向いて準備できればよいものの、考え方が大きく違う場合には、不安や不満が強くなることがあります。
老後は、日々の生活だけでなく、病気や介護への備えも必要になります。
将来の見通しについて話し合えない状態が続くと、このまま一緒に生活することへの不安が大きくなり、離婚を検討する原因になります。
60代で離婚するメリットデメリット
60代で離婚することには、精神的な自由を得られる面がある一方で、生活費や住まい、健康面などの不安も伴います。
ここでは、60代で離婚するメリットとデメリットを整理します。
| メリット | デメリット |
| 夫婦関係のストレスから離れられる | 生活費や住まいの負担が大きくなる |
| 自分のペースで生活しやすくなる | 年金や貯金だけでは生活が不安定になる可能性がある |
| 趣味や友人関係などに時間を使いやすくなる | 孤独や健康面の不安が生じやすい |
| 老後の過ごし方を自分で選びやすくなる | 病気や介護が必要になったときに支えが少なくなる |
メリット
60代で離婚するメリットは、長年続いていた夫婦関係のストレスから離れ、自分の生活を取り戻しやすくなることです。
配偶者との価値観の違いや、モラハラ、不倫、会話のない生活などに悩んできた場合、離婚によって精神的な負担が軽くなることもあります。
- 精神的なストレスから解放される
- 自分のペースで生活できる
- 趣味や友人関係に時間を使いやすくなる
- 老後の過ごし方を自分で選びやすくなる
子育てや仕事が一段落したあとであれば、自分の時間を持ちやすくなるため、60代からの離婚は、残りの人生を自分らしく過ごすための選択を大事にする傾向があります。
デメリット
60代で離婚するデメリットは、離婚後の生活費や住まいに不安が生じやすいことです。
とくに、専業主婦や収入が少ない人、貯金なしで離婚を考えている人は、離婚後の生活をどのように維持するかを具体的に考える必要があります。
離婚後に問題になりやすいのは、次のような点です。
- 家賃や生活費を一人で負担する必要がある
- 年金収入だけでは生活費が足りない可能性がある
- 病気や介護が必要になったときに支えが少なくなる
- 孤独を感じやすくなる
- 住まいの確保が難しくなることがある
財産分与や年金分割でどの程度の生活基盤を確保できるかによって、離婚後の生活の安定性は大きく変わります。
60代で離婚してよかったと感じる女性の特徴
60代で離婚してよかったと感じる女性には、離婚後の生活を前向きに受け止め、自分の時間や人間関係を大切にできている傾向があります。
ここでは、60代女性が離婚してよかったと感じやすい特徴を整理します。
精神的なストレスから解放された
60代で離婚してよかったと感じる女性には、結婚生活の中で抱えていた精神的なストレスから解放された人が多く見られます。
長年、配偶者の顔色をうかがって生活していた人や、会話のない家庭内で孤独を感じていた人は、離婚後に心の負担が軽くなりやすいです。
とくに、モラハラや威圧的な言動があった場合、相手に合わせ続ける生活から離れることで、穏やかに過ごせる時間を取り戻しやすくなります。
離婚後に精神的な安定を感じられる女性は、60代からの生活を前向きに受け止めやすいといえます。
自分のペースで生活できるようになった
自分のペースで生活できるようになった女性も、60代で離婚してよかったと感じやすい傾向があります。
婚姻中は、食事の時間、家事、親族付き合い、休日の過ごし方などを配偶者に合わせてきた人も少なくありません。
離婚後は、起きる時間や外出、交友関係、家事の進め方などを自分で決められます。
誰かに合わせる生活から離れ、自分の意思で日常を組み立てられることに自由を感じることができます。
趣味や仕事など新しい生きがいを見つけた
離婚後に趣味や仕事など新しい生きがいを見つけた女性も、離婚してよかったと感じやすいです。
60代は、子育てや家庭内の役割が一段落し、自分のために時間を使いやすくなる時期です。
離婚をきっかけに、これまで後回しにしていた趣味を再開したり、短時間の仕事を始めたりする人もいます。
地域活動、習い事、友人との交流など、家庭以外の場所に居場所を持てると、離婚後の孤独を感じにくくなります。
そのため、自分なりの楽しみや役割を持てる女性は、離婚後の生活を前向きに捉えやすいと言えます。
子どもとの関係が改善した
子どもとの関係が改善した女性も、60代で離婚してよかったと感じやすい傾向があります。
婚姻中に夫婦関係が悪化していると、家庭内の雰囲気が重くなり、子どもとの会話もぎこちなくなりがちです。
とくに、子どもが親同士の不仲に気を遣っていた場合、母親自身が精神的に落ち着くことで、親子の距離が縮まりやすくなります。
子どもとの関係を支えにしながらも、子どもに依存しすぎず、自分の生活も大切にできる女性は、離婚後の生活を前向きに受け止めやすくなります。
60代で離婚してよかったと感じる男性の特徴
60代で離婚してよかったと感じる男性には、一人暮らしへの適応力や、離婚後の生活設計を冷静に考えられる傾向があります。
ここでは、60代で離婚してよかったと感じる男性の特徴を解説します。
夫婦関係のストレスがなくなった
夫婦関係のストレスから離れられた男性は、60代で離婚してよかったと感じやすい傾向があります。
長年、会話のない生活や価値観の違い、家庭内での緊張感を抱えていた場合、離婚によって精神的な負担が軽くなります。
離婚後に家庭内の衝突や気まずさから解放されると、自宅で落ち着いて過ごせるようになります。
一人の生活に充実感を感じている
一人の生活に充実感を感じられる男性も、離婚してよかったと感じやすいです。
60代で離婚すると、家事や食事、健康管理などを自分で行う必要があります。
最初は負担に感じても、生活の流れを自分で整えられるようになると、一人暮らしに自由さを感じやすくなります。
誰かに合わせる生活ではなく、自分のペースで日常を組み立てられる男性は、一人の生活にもなじみやすいでしょう。
新たな人間関係や趣味を楽しめている
離婚後に新たな人間関係や趣味を楽しめている男性は、60代からの生活を前向きに捉えやすくなります。
婚姻中は家庭や仕事を中心に生活していたため、自分の趣味や友人関係が後回しになっていた人もいるでしょう。
離婚後に、地域活動、習い事、旅行、運動、友人との交流などを始めることで、生活の中に新しい楽しみが生まれます。
自分から人とのつながりを作れる男性は、生活の満足度も高まりやすくなります。
老後の生活設計を冷静に考えられた
老後の生活設計を冷静に考えられる男性も、離婚してよかったと感じやすい特徴があります。
60代の離婚では、感情だけで判断すると、住まい、生活費、年金、医療費などの面で困る可能性があります。
離婚後にどこで暮らすのか、年金や貯金で生活できるのか、病気や介護が必要になったときにどう備えるのかを考えておくことが大切です。
こうした準備ができている男性は、離婚後の生活に不安を抱えにくくなります。
離婚後も経済的に安定している
離婚後も経済的に安定している男性は、60代で離婚してよかったと感じやすいといえます。
60代で離婚すると、収入や貯金があるかによって、離婚後の安心感は大きく変わります。
退職金や年金、貯金、持ち家の有無などを踏まえて生活できる見通しがあれば、離婚後の不安は抑えやすいでしょう。
60代で離婚を考える男性は、離婚後の収支や住まいまで具体的に整理しておくことが必要です。
60代で離婚して一人暮らしする人の生活費は?
60代で離婚して一人暮らしを始める場合、毎月の生活費をどの程度確保できるかが重要です。
総務省統計局の家計調査年報によると、2023年の単身世帯の消費支出は、1世帯あたり1か月平均167,620円です。
単身世帯の平均年齢は58.2歳とされているため、60代で一人暮らしをする場合の生活費を考える際にも参考になります。
ただし、この金額はあくまで平均的な消費支出です。
家賃の有無、住んでいる地域、医療費、交際費、趣味に使うお金などによって、実際に必要な生活費は変わります。
単身世帯の消費支出が月平均167,620円であることを踏まえると、余裕を持って生活するには、月20万円程度を一つの目安として考えておく必要があります。
生活費だけでぎりぎりになると、急な通院や家電の買い替え、冠婚葬祭などの支出に対応しにくくなるからです。
貯金なしで離婚を考えている場合には、離婚後すぐに一人暮らしを始められるかを慎重に確認する必要があります。
60代貯金なしで離婚する際の重要ポイント
60代で貯金なしのまま離婚すると、離婚後の生活費や住まいの確保に不安が生じやすくなるため、貯金なしで離婚を考える際は、以下のことを確認しましょう。
| 確認すること | 内容 |
| 財産分与 | 預貯金、不動産、退職金、保険など、夫婦で築いた財産を分けられるか確認する |
| 年金分割 | 婚姻期間中の厚生年金記録を分け、離婚後の年金額に反映できるか確認する |
| 慰謝料 | 不倫、DV、モラハラなどがある場合、慰謝料を請求できるか検討する |
| 離婚後の生活費 | 家賃、食費、医療費などを含め、一人暮らしの生活が成り立つか試算する |
| 住まい | 持ち家に住み続けるのか、賃貸へ移るのか、初期費用も含めて確認する |
財産分与をしっかりもらう
60代で貯金なしのまま離婚を考える場合、まず確認したいのが財産分与です。
財産分与とは、婚姻期間中に夫婦が協力して築いた財産を、離婚時に分ける制度を指します(民法第768条)。
預貯金だけでなく、自宅不動産、退職金、保険、株式、自動車なども対象になることがあります。
財産の名義が配偶者になっていても、婚姻中に形成されたものであれば、財産分与の対象になります。
そのため、離婚前に夫婦の財産を洗い出し、どの財産をどのように分けるか整理しておくことが大切です。
年金分割をする
60代で離婚する場合、年金分割も離婚後の生活に関わる重要な制度です。
年金分割とは、婚姻期間中の厚生年金記録を夫婦で分ける手続きです。
配偶者の扶養に入っていた期間が長い人や、自分の年金額が少ない人にとっては、老後の収入を考えるうえで確認しておきたい内容といえます。
ただし、年金分割をしたからといって、配偶者の年金をそのまま半分受け取れるわけではありません。
分割の対象になるのは、婚姻期間中の厚生年金記録に限られます。
加えて、年金分割には請求期限もあり、原則として離婚した日の翌日から2年以内に手続きが必要です。
慰謝料を請求できないか検討する
配偶者の不倫、DV、モラハラなどが原因で離婚する場合には、慰謝料を請求できる可能性があります。
慰謝料は、配偶者の違法な行為によって精神的苦痛を受けた場合に請求できるお金です。
貯金なしで離婚を考えている人にとって、慰謝料を受け取れるかどうかは、離婚後の生活にも影響します。
一方で、性格の不一致や価値観の違いだけでは、慰謝料請求が難しい場合もあります。
慰謝料を請求するには、不倫の証拠、暴力や暴言の記録、診断書、写真、録音、メールやLINEの履歴などが必要です。
離婚後の生活のため、離婚前に一度弁護士への相談を
60代で離婚を考える場合、離婚後の生活費や住まい、財産分与、年金分割などを事前に整理しておく必要があります。
弁護士に相談することで、次のような点を整理しやすくなります。
- 財産分与で何を請求できるか
- 年金分割の対象や手続き
- 慰謝料を請求できる事情があるか
- 離婚後の住まいや生活費をどう確保するか
- 不利な離婚条件になっていないか
とくに専業主婦だった期間が長い人や、配偶者より年金額が少ない人は、離婚前に確認しておくべき内容といえます。
60代の離婚では、離婚後の生活が成り立つかどうかを冷静に判断する必要があります。
離婚条件に不安がある場合には、早い段階で弁護士に相談し、自分にとって不利な内容で合意しないことが重要です。
まとめ
60代で離婚を考える背景には、長年の価値観の違いや定年後の生活の変化、子どもの独立、モラハラ・DV・不倫など、さまざまな事情があります。
60代の離婚では、夫婦関係のストレスから解放され、自分のペースで生活できるようになる一方で、離婚後の生活費や住まい、健康面への不安も生じやすくなります。
貯金なしで離婚を考えている場合は、財産分与や年金分割、慰謝料請求の可否を確認したうえで、離婚後の生活が成り立つかを慎重に判断する必要があります。
60代で離婚を検討している場合には、早い段階で弁護士に相談し、不利な条件で離婚を進めないようにしましょう。

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