離婚「知っトク」ブログ

妻と離婚して親権を獲得したい

2025.01.27
  • 親権
離婚を考える男性

離婚時の親権を巡る争いは、特に男性にとって大きなハードルとなることがあります。男性は親権争いで不利と言われることも多く、実際に親権を獲得する男性の割合は低いです。男性が親権を獲得するうえで重要なことを弁護士が解説します。

男性が親権を獲得するのは難しい?

男性は親権を獲得するのが難しいと言われることも多いです。実際に、厚生労働省の統計資料では、男性が親権を獲得しているのは、全体の1割ほどです。つまり、ほとんどのケースで母親が親権者になっています。

男性が親権を獲得するのが難しい理由としては、まず「養育実績」が挙げられます。裁判所が親権者を決定するうえで、「これまでどちらが子どもの世話をしていたか」を重視する傾向にあります。これは、離婚によって子どもの養育環境が変わらない方が望ましいと考えられているためです。

近年は共働きの夫婦も増えていますが、育休を取りづらいと感じている男性も多く、まだまだ子どものお世話は母親が中心でしょう。そのため、父親の養育実績が乏しいことが、男性が親権を獲得しづらい理由のひとつです。

また、「母性優先の原則」という考え方も影響しています。母性優先の原則は「幼い子どもの親権者には、母性を有する母親の方が望ましい」とする考え方です。

これらの要因によって、男性が親権を獲得するのは難しい面もあります。しかし、これまで子どものお世話を父親が中心にしていた場合や、母親が親権者としてふさわしくない理由がある場合には、男性が親権を獲得できる可能性は十分にあります。

男性が親権の獲得を目指すときにすべきこと

養育実績を作る

上述のとおり、親権者を決めるうえでは、どちらが中心となって子どものお世話をしていたかが重要です。具体的には、ご飯の準備やお風呂、勉強のサポート、送り迎えなどが挙げられます。これらのお世話を積極的に継続して行うことが、親権を獲得するうえで大切です。また、養育実績を証明するためにも、日記などに記録を残しておくのが望ましいです。

良好な親子関係を築く

子どもがある程度の年齢に達している場合、子どもの意思も尊重されます。目安としては10歳前後と言われることが多いです。15歳以上になると、審判で親権者を決定する際は、子どもの意見も聞かなければならないと定められています。そのため、父と子で良い親子関係を築き、子どもが父親との暮らしを望む場合には、親権を獲得できる可能性が高まります。

子どもに適した環境であることを主張する

原則として、親権者を決める際に一番考えるべきことは「子どもの幸せ」です。親の健康状態や収入、育児にかけられる時間などを総合的に考慮し、どちらが子どもの養育に適した環境であるかが重要です。

例えば、子どもを虐待する、精神状態がよくない、浪費癖があり経済的に不安定、などの問題があれば、親権者としてふさわしいとは言えないでしょう。このような問題が母親にある場合は、それらの証拠を確保し、自分の方が子どもの養育に適した環境であることを主張することで、親権を獲得できる可能性は高まります。

妻と離婚して親権を獲得したい方へ

男性が親権を獲得するのは簡単なことではありません。また、どちらも親権を譲らない場合、最終的には裁判で決着をつけることになります。裁判になると手続きも煩雑で、書類の準備や証拠の確保などの負担も大きいです。

また、裁判で適切な主張をするためには、専門的な知識も求められます。そのため、親権をどうしても獲得したいと考える場合は、弁護士に依頼することをおすすめします。弁護士に依頼しても「必ず親権を獲得できる」という訳ではありませんが、万全な態勢で裁判に臨むことが可能です。

当事務所は設立以降、離婚問題に注力しており、数多くの解決実績がございます。複数の弁護士と担当事務員のチームで、親権の獲得をサポートいたします。初回のご相談は無料ですので、まずはお気軽にご連絡ください。

この記事の監修者

この記事の監修者

中間 隼人Hayato Nakama

なかま法律事務所
代表弁護士/中小企業診断士
神奈川県横浜市出身 1985年生まれ
一橋大学法科大学院修了。
神奈川県弁護士会(65期)