離婚「知っトク」ブログ

親権を獲得したい

2025.01.27
  • 親権
子どもと遊ぶ親

親権を巡る話し合いは、夫婦間で感情的な対立を生みやすく、簡単には決まらないことも多いです。自分が親権を獲得できるのか、強い不安を感じている人もいるでしょう。親権の獲得に向けて意識すべきことを説明します。

親権者の決め方

子どもが未成年の場合、離婚時には必ず夫婦のどちらかを親権者にする必要があります(なお、2026年からは共同親権がスタートし、父母ともに親権を持つことが可能です)。

親権者の決め方としては、夫婦の話し合い、家庭裁判所の調停手続き、裁判の3つです。夫婦間の話し合いでは、やはり子どものことですので、冷静な話し合いができなかったり、結論が出なかったりすることも珍しくありません。

夫婦間の話し合いで決まらない場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てて、親権を含む離婚条件を話し合うのが一般的です。離婚調停では、中立の立場である調停委員が間に入り、離婚の合意を目指して調整を図ってくれます。

ただし、離婚調停はあくまでも話し合いによって合意を目指す手続きのため、一方が拒否をすれば調停は不成立として終了します。離婚調停でも解決できない場合は、最終的に裁判で決着をつけることになります。裁判では、父母・子どもの事情を総合的に考慮して、親権者が決定されます。

親権を獲得できるか不安なときに意識すべきこと

「絶対に親権を獲得できる」という方法はありませんが、少しでも可能性を上げるために、以下のことを意識することが大切です。

積極的に監護実績を作る

親権を獲得するためには、日常的に子どもの世話をしている実績が重要です。例えば、ご飯の準備やお風呂、送り迎えなどです。裁判所が親権者を決定する際は、どちらが日常的にお世話をしていたかを重視する傾向にあります。

しかし、父親が会社員、母親が主婦もしくはパートの場合、父親は監護実績を作りにくい状況にあります。そのため、男性は親権を獲得しにくいと言われることも多いです。実際に、令和5年度の司法統計では、親権を獲得した父親の割合は1割未満となっています。

これまで仕事などが理由で監護実績をあまり作れていない場合は、弁護士などの専門家に相談し、今後の対応を検討したほうがよいでしょう。また、監護実績は日記や写真などで記録を残しておくことが大切です。

子どもの健全な育成を最優先に考える

面会交流に積極的な姿勢を示すことも、親権者を決めるうえで重要な要素です。例えば、配偶者の不倫で離婚に至る場合、「不倫なんかをした配偶者に子どもを会わせたくない」という感情を抱いてしまうこともあるでしょう。

しかし、子どもからすれば、お父さんとお母さんが離婚した原因は関係ありません。DVが原因で離婚する場合は別ですが、離婚した後も父母両方に接することが、子どもの健全な育成に繋がります。そのため、面会交流に否定的な態度を示すと、親権者を決めるうえで不利になる可能性があります。

親権者にふさわしいことを適切に伝える

調停か裁判で親権者を決める際は、調停委員や裁判官に対して自分が親権者にふさわしいことを適切に主張する必要があります。これまでの監護実績や離婚後の養育環境について、具体的に伝えることが大切です。整理して伝えるためにも、事前に書面などにまとめておくとよいでしょう。

親権を獲得したい方へ

親権を決める話し合いは、どちらも絶対に譲らない姿勢を取ることも少なくありません。精神的な負担も大きく、感情的になってしまうときもあるでしょう。しかし、一番大事なのは、子どもの幸せです。子どもにとっての最善の選択を、冷静に考えながら判断していくことが大切です。

当事務所でも親権を含む数多くの離婚問題に向き合ってきました。親権を獲得できるか不安な方は、当事務所に一度ご相談ください。経験豊富な弁護士がサポートいたします。キッズスペースもご用意しているため、小さなお子様と一緒のご来所も可能です。

この記事の監修者

この記事の監修者

中間 隼人Hayato Nakama

なかま法律事務所
代表弁護士/中小企業診断士
神奈川県横浜市出身 1985年生まれ
一橋大学法科大学院修了。
神奈川県弁護士会(65期)