モラハラを24時間無料相談できる窓口はある?弁護士費用の相場は?
- DV・モラハラ

モラハラ(モラルハラスメント)は、精神的な圧力や言葉の暴力によって被害者を追い詰める深刻な問題です。
長期間にわたり精神的な苦痛を受けると、自己肯定感が低下し、正常な判断が難しくなることがあります。
モラハラかもと感じたら、早めに専門機関に相談することが大切ですが、「どこで相談すればよいのだろうか?」と相談先がわからない人も多いのではないでしょうか?
この記事では、モラハラの相談窓口や弁護士に依頼する際の費用、さらには別居を考える場合の具体的な方法について詳しく解説します。
モラハラから抜け出し、新たな生活を始めるための第一歩として、ぜひ参考にしてください。
目次
モラハラを無料相談できる窓口
モラハラについて無料相談できる窓口は、公的機関から民間の窓口までさまざまなものがあります。
政府の広報オンラインや男女共同参画局では、暴言や無視といった精神的な攻撃もDVの一種と定義しており、DVの相談窓口でもモラハラに関する相談が可能です。
まずは、モラハラについて無料相談できる窓口について、各窓口の特徴や相談できる内容、相談可能な時間帯や相談方法を紹介します。
いずれも情報が漏れることはないため、安心して利用できます。
DV相談+
DV相談+は、内閣府が運営するDVやモラハラの無料相談窓口です。24時間対応しており、電話・メール・チャットを通じて相談できます。
特にメールやチャットを利用した相談は、加害者と同居している場合でも周囲を気にせず相談しやすい点がメリットです。
DV相談+は以下のような特徴があります。
- 相談以外にも緊急時の避難方法、支援機関の紹介が可能
- 相談員が必要と判断した場合には同行支援などの直接的な支援や安全な居場所の提供などもサポート
- 男性の相談にも対応
「これってDVなのかな?」「今すぐにでもパートナーと距離を置きたい」といったさまざまな悩みに対応してくれるため、モラハラに悩んでいる場合にまず最初に問い合わせる窓口としておすすめです。
- DV相談+
- 相談可能時間:24時間
- 相談方法:電話(0120-279-889)・メール・チャット
DV相談ナビ
DV相談ナビは、全国共通の電話番号(#8008)にかけると、各都道府県の配偶者暴力相談支援センターにつながり、モラハラやDVを無料で相談できます。
DV相談ナビで配偶者暴力相談支援センターにつながることで、以下のような支援が受けられます。
- 相談や相談機関の紹介
- カウンセリング
- 一時保護・シェルターの援助
- 自立して生活するための情報提供や援助
- 保護命令制度についての説明や援助
匿名での相談も可能で、話を聞いてもらうだけでも利用できます。受付時間は各窓口によって異なるため、事前に確認することをおすすめします。
- DV相談ナビ
- 相談可能時間:各相談支援センターによる(午前9時から午後5時など)
- 相談方法:電話(#8008)
【関連記事】モラハラ妻に疲れた人がすべきこと|モラハラ妻の特徴と離婚の注意点
配偶者暴力相談支援センター
配偶者暴力相談支援センターは、各都道府県や市町村に設置されている公的機関で、モラハラやDVの無料相談窓口です。
警察や福祉機関と連携しており、相談者の安全確保や保護命令の申立て支援なども行っています。配偶者暴力相談支援センターは、DV相談ナビからも繋がることができ、支援内容も一緒です。
- 配偶者暴力相談支援センター
- 相談可能時間:各相談支援センターによる(午前9時から午後5時など)
- 相談方法:電話(#8008、または各自治体の窓口)
男女共同参画センター
男女共同参画センターは、男女平等や女性の権利擁護を目的として設置された施設で、モラハラやDVの相談も受け付けています。
各都道府県・市町村に設置されており、専門相談員による無料相談が可能です。
神奈川県の場合は、かながわ男女共同参画センター(神奈川県配偶者暴力相談支援センター)でモラハラ・DV相談を受け付けています。
神奈川県の相談窓口の特徴は、女性だけでなく男性の被害相談や外国人の相談、LINE相談にも対応しています。ただし、公的機関であるため、相談時間が限られている点には注意が必要です。
- かながわ男女共同参画センター
- 相談可能時間:窓口による(かながわ相談LINEは月・火・木・土の14時〜21時)
- 相談方法:電話・LINE
NPO法人よつば
NPO法人よつばは、浮気や不倫・DVなど、夫婦関係や家族間での問題に関する相談を受け付けているNPO法人です。
モラハラだけでなく、不倫、夫婦関係の修復などの無料相談やカウンセリングを実施しています。
離婚に向けたサポートを行う弁護士とは異なり、法律で解決できない部分や幅広い問題に対する心理的な支援が特徴です。
離婚の検討段階でも、弁護士に相談するのはまだ抵抗があるという人はよつばで相談する方法もあります。
- NPO法人よつば
- 相談可能時間:9〜20時(年中無休)
- 相談方法:電話(050-5527-5355)
民生委員
民生委員は、厚労省大臣の委託を受け、地域住民の福祉を支援するボランティアです。
子育てや家庭問題など、地域住民の悩みの相談や、専門機関への橋渡し役や福祉サービスの情報提供を実施しています。
モラハラだけでなく、その後の自立や生活再建などについても相談でき、支援に繋げてもらえる可能性があります。
民生委員への相談は、住まいの市区町村役場の福祉管理課や、民生委員児童委員協議会などで相談可能です。
参考:ご存じですか?地域の身近な相談相手「民生委員・児童委員」 – 神奈川県
よりそいホットライン
よりそいホットラインは、DV・モラハラ・生活困窮・精神的な悩みなど、あらゆる問題について24時間無料相談できる窓口です。
電話やSNSでの相談が可能で、外国語対応も行っています。暴力はもちろんのこと、夫に厳しく家計の管理をされていてストレスを受けているなど、多様な悩みについて相談にのってもらえます。
24時間相談可能なので、モラハラの影響で精神的に追い詰められている人にとっては大きな助けとなるはずです。
- よりそいホットライン
- 相談可能時間:24時間
- 相談方法:電話(0120-279-338)
女性の人権ホットライン
女性の人権ホットラインは、法務省が運営する窓口です。人権問題に詳しい法務局職員や人権擁護委員が女性の人権侵害全般について無料で相談にのってくれます。
モラハラを含む精神的・金銭的な暴力の相談や離婚の相談も受け付けており、必要に応じて法テラスや弁護士を紹介してもらうことが可能です。
- 女性の人権ホットライン
- 相談可能時間:平日午前8時30分から午後5時15分まで
- 相談方法:電話(0570-070-810)、オンライン
カウンセラー
心理カウンセラーは、モラハラによる精神的なダメージを受けた人の心のケアを行ってくれます。
具体的には、じっくりと話を聞いてもらえるほか、相手の言動をどう受け止めれば苦しくないかといった、自分の気持ちを楽にする方法を教えてもらえます。
また、配偶者から受ける言葉の暴力や圧力がモラハラに該当するかどうかの判断に関するアドバイスも可能です。
心理カウンセラーは有料のケースが多いですが、NPOや行政機関であれば無料でカウンセリングを受けられます。
カウンセリングを受ける際は、公認心理士や臨床心理士の資格を持つカウンセラーに相談することをおすすめします。
弁護士
弁護士は、モラハラ相手との離婚について相談できます。弁護士に相談することで、離婚の見通しや、離婚するために必要なことや注意点などの具体的なアドバイスが受けられます。
依頼することで、モラハラ相手とのやり取りは全て弁護士に任せることができます。離婚の交渉から慰謝料請求や保護命令の申し立て、調停や裁判まで幅広い法律業務が可能です。
初回相談無料の法律事務所も多いので、「モラハラ相手と離婚したい」「離れたい」と思った場合は、相談してみるのがおすすめです。
なお、当事務所でもモラハラに関する数多くの相談や事案に対応した実績があります。無料相談も可能ですので、お気軽にご相談ください。
モラハラを弁護士に相談するメリット
モラハラについて弁護士に相談できるのは知っているものの、相談した場合のメリットがよくわからないという人も多いかもしれません。
ここでは、モラハラについて弁護士に相談するメリットをいくつか紹介します。
精神的な支えになる
モラハラは、周囲の友人や親戚などからも理解されないケースも多く、一人で抱え込みがちな問題です。
「自分が悪いのかもしれない」と思い込んでしまっている方こそ、弁護士に相談してみるのがおすすめです。
弁護士が違法な行為であることや今後の対応を説明してくれることで、相手と離れるための勇気や精神的な支えとなってくれます。
法的な知識を得ることができ、一人で相手と対峙する必要はありません。
モラハラ離婚の見通しや今すべきことがわかる
モラハラによる離婚では、モラハラ相手が離婚を拒否したり、誤った法的知識を振りかざして離婚の意思を削いできたりすることがあります。
しかし、弁護士に相談することで、離婚の見通しやリスクを具体的に把握できるため、最適な戦略を立てて離婚の準備を進めることができます。
法的な知識が得られれば、相手の主張に根拠がないこともわかります。
また、今後離婚するための方法や、逆算して今すべきことが明確になるため、行動を起こす際にも役立ちます。
別居を考えている場合、住居の確保や生活費の請求方法についても教えてもらえるため、よりスムーズに離婚に向けた準備を進めることが可能になります。
依頼すればモラハラ配偶者と交渉してもらえる
モラハラ加害者は、被害者が離婚を切り出した途端にさらに攻撃的になることがあります。
直接話し合おうとしても、「お前が悪い」「離婚は認めない」と言われ、精神的に追い詰められるケースも少なくありません。
弁護士に依頼すれば、離婚手続きや慰謝料請求などの相手とのやり取りを弁護士が代行してくれ、適切に交渉を進めてもらえます。
さらに、法的な根拠をもとに交渉が進めてくれるため、不利な条件で離婚を進められる心配も少なくなります。
被害者は加害者との接触を最小限に抑えられ、精神的な負担を軽減できるでしょう。
モラハラ離婚にかかる弁護士費用
モラハラが原因で離婚を目指す際に、弁護士にサポートを依頼する場合の費用相場は40〜100万円ほどです。弁護士が交渉を行い協議離婚で進める場合は費用は40万円程度です。
一方で、交渉がまとまらず、調停離婚や裁判離婚に発展した場合は裁判所での手続きが追加で必要となるため費用は高くなる傾向があります。
モラハラやDVの事実がある場合の慰謝料の相場は50~300万円程度です。ただし、弁護士費用や得られる慰謝料は、法律事務所の料金体系や事案によって異なります。
無料相談を活用して、自分のケースだとかかる費用と慰謝料がいくらくらいになるのか確認してから、依頼の判断をするのでもよいでしょう。
モラハラ離婚にかかる弁護士費用の詳しい内訳については、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】モラハラ離婚の弁護士費用の相場は?法テラスの費用や相談窓口も解説
モラハラ配偶者と離れる方法
相手がモラハラ行為をしている以上、離婚を認めてもらう方法は必ずあります。モラハラ離婚でそれ以上に問題となるのは、モラハラ相手と離れる方法です。
中には、働くことを制限されていたり、生活費を渡されていなかったり、引っ越すお金がないという人も少なくありません。
以下では、モラハラ配偶者と離れる方法をいくつか紹介します。
実家を頼る
モラハラ配偶者と離れる際に、まず考えられる方法が実家を頼ることです。実家に帰ることで、生活費の負担を抑えつつ、安全な環境で過ごすことができます。
さらに、自分を理解してくれる家族が身近にいることによって、精神的な支えを受けられる点も大きなメリットです。
モラハラ被害を受けていると、自分が悪いのではないかと錯覚してしまうことが多いため、家族の客観的な意見を聞き、今後のことを冷静に考えるのがおすすめです。
ただし、実家が遠方の場合や、家族との関係が良好でない場合など、実家に頼れないケースもあります。事前に実家の協力を得られるか確認し、状況によっては他の選択肢も検討しましょう。
生活保護を利用する
経済的に自立するのが難しく別居ができない場合は、生活保護を利用する方法もあります。
生活保護とは、最低限の生活費を支給してもらえる制度で、モラハラ配偶者と別れて生活を再建する際の助けになります。
収入や貯金が一定以下であることを証明する必要がありますが、配偶者と別居を決めた後に申請することも可能です。
生活保護の申請には、扶養照会が行われます。扶養照会とは、配偶者や親族に扶養できるか確認を行うものです。
こうした扶養照会により相手に居場所が知られることを恐れて、生活保護の申請をためらうケースがあります。
しかし、相手から生活費をもらえずに困窮している場合や、モラハラDVなどの事情がある場合は、扶養照会を断ることも可能です。
まずは生活保護を利用して、モラハラ相手と離れ、生活を立て直していくことが大切です。
市区町村の区役所か自治体の福祉事務所に相談すれば、申請手続きのサポートを受けられるので、まずは一度問い合わせてみるのがよいでしょう。
参考:配偶者に知られずに、生活保護を受けたい… – 大阪弁護士会総合法律相談センター
公営住宅への入居を検討する
配偶者からのモラハラやDVを受けている方は、別居のために公営住宅への入居が優先される制度があります。
公営住宅とは、国や自治体によって管理・運営されている賃貸住宅を指し、通常のアパートよりも家賃が安く設定されています。
公営住宅に入居するためには、収入が一定以下などの基準を満たす必要がありますが、家賃の低さから希望者が多く、全員が入居できるわけではありません。
しかし、配偶者からモラハラやDVの被害を受けていて別居を検討しているものの、収入が少なく住宅の確保が難しい方は優先して入居が可能です。
別居先として公営住宅への入居を希望する場合は、地方公共団体の福祉担当窓口に相談しましょう。
参考:配偶者からの暴力被害者への公営住宅の入居について – 厚生労働省
シェアハウスに入居する
モラハラ配偶者と別居する際、費用を抑えながら新しい住居を確保する方法としてシェアハウスの入居があります。
シェアハウスは、敷金・礼金が不要な場合も多く、家具などを揃える必要がないケースもあり、経済的な負担を抑えながら安心して暮らせる場所を確保できます。
他の住人がいることで孤独を感じにくく、モラハラの影響から精神的に立ち直る手助けにもなるでしょう。
ただし、共同生活する人たちとの相性が合わない場合も、内見をおこなったうえで契約内容を確認し、自分に合ったシェアハウスを選ぶことが重要です。
また、子どもがいる女性の場合は、女性専用シェアハウスなどを利用すると安心です。
お金を借りて別居をする
どうしてもすぐに別居したいが資金が足りない場合、一時的にお金を借りる方法もあります。
公的な貸付制度として、自治体の生活福祉資金貸付制度などがあり、低金利で借りられる可能性があります。
親族や信頼できる友人から借りることも一つの選択肢です。トラブルを避けるためにも、借用書などでしっかりと借りた内容を記録し、現実的な返済計画を立てるとよいでしょう。
【関連記事】モラハラ夫とあっさり離婚する方法|モラハラ夫は変わるのか?
まとめ
この記事では、配偶者からのモラハラに悩んでいる方が無料で相談できる窓口や、モラハラについて弁護士に相談するメリットについて解説しました。
モラハラは周囲からの理解を得るのが難しいうえ、加害者側から一方的に責められることにより自分が悪いのではないかと一人で抱え込んでしまいがちです。
また、モラハラ気質のある相手は、誰が接しても対応に苦労させられます。そもそも一人で解決するのは難しい問題です。
モラハラについて相談可能な窓口はたくさんあるため、一人で悩まずに誰かに相談して、今後の方針を検討しましょう。
弁護士に相談することで、今後の見通しや今からすべきことが明確となります。相手から離れる覚悟を持てることもあるので、モラハラに悩んだ場合は当事務所にご相談ください。