離婚「知っトク」ブログ

モラハラの言動一覧|夫のセリフ例と離婚・慰謝料でどう評価されるか

2026.08.14
  • DV・モラハラ

監修:中間隼人 弁護士(なかま法律事務所 / 年間400件超の離婚相談実績・横浜)

夫から毎日のように否定する言葉をかけられていても、それが「言い方がきついだけ」なのか、モラハラと呼ぶべきものなのか、自分では判断がつかないことがあります。

判断がつかないまま日々が過ぎると、いつのまにか「怒らせた自分に原因があるのではないか」と考えるようになります。親や友人に打ち明けても「どこの家庭もそんなもの」と流されてしまい、そのうちに何を言われたのかを思い出せなくなる。手元に何も残っていない状態で、離婚や親権の話し合いの場面を迎えることになります。

この記事では、モラハラに当たる言動を6つのタイプに分けて具体例を挙げたうえで、夫婦喧嘩や正当な指摘との線引き、離婚や慰謝料の場面でどのように扱われるのか、そして今日から言動を記録に残す方法までを紹介します。

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モラハラに当たる言動の6つのタイプ

モラハラは言葉だけの問題ではありません。返事をしない・ため息をつくといった態度、生活費の渡し方、子どもの扱い方も含めた家庭内のふるまい全体が対象になります。

見極めるうえで手がかりになるのは、内容そのものよりも関係の形です。ひとつは、責める側と受ける側が固定されていて言い返せない状態になっているかどうか。もうひとつは、それが一度きりではなく続いているかどうかです。この2点がそろっているとき、単発の言い争いとは別の問題として扱われやすくなります。

以下の6つのタイプは互いに重なり合うものです。どれか1つに当てはまらなければモラハラではない、という性質のものではありません。

【関連記事】夫婦のモラハラとは|モラハラ夫(妻)の特徴とモラハラの対処法

人格や能力を否定する言葉

行動への注意ではなく、その人自身の価値を否定する言い方です。「掃除をしてほしい」ではなく「掃除もできない人間だ」と、行為から人格へ話をすり替える点に特徴があります。

  • お前は何をやってもだめだ
  • その程度のことがどうしてできないのか
  • 常識がない・頭が悪い
  • お前と話すと疲れる
  • 誰もお前の話など聞いていない
  • 母親失格だ
  • お前みたいな人間は他では通用しない
  • そんな格好でよく外を歩けるな
  • お前の実家がおかしいから、お前もおかしい
  • 黙っていればいいものを、口を開くと台無しになる

繰り返されるうちに、言われた側は自分の判断に自信を持てなくなり、家庭の中で意見を言わなくなっていきます。本人が「自分にも悪いところがある」と説明するようになるため、外から見て問題が見えにくくなる点にも注意が必要です。

稼ぎや立場を根拠に従わせる言葉

収入の多寡や住居の名義といった条件を持ち出して、相手に決定権がないと突きつける言い方です。生活の基盤を握られている側は、反論すると生活そのものが危うくなると感じるため、従わざるを得なくなります。

  • 誰の稼ぎで生活できていると思っているのか
  • 養ってもらっている立場で口を出すな
  • 働いていない人間に決める権利はない
  • この家は俺の名義だ、出ていくのはお前のほうだ
  • 主婦は楽でいい、こっちは外で神経を使っている
  • お前が一人で生きていけるわけがない
  • 離婚したら子どもは取られるぞ
  • 俺に確認せずに決めるな

「離婚したら生きていけない」「子どもは取られる」といった見通しの押しつけは、事実として正しいとは限りません。生活費の分担や親権の判断には法律上の枠組みがあり、収入が少ないほうが必ず不利になるわけではないためです。

事実をすり替えて相手を混乱させる言動

言った内容そのものを否定したり、相手の受け取り方が異常だと位置づけたりして、記憶や感覚の側に問題があるように仕向ける言動です。

  • そんなことは言っていない、お前の記憶違いだ
  • 前にお前が納得したはずだ
  • 怒らせるようなことをしたお前が悪い
  • 大げさに受け取りすぎだ、被害者ぶるな
  • そんなことで傷つくのは病気だ、病院に行け
  • 周りもお前がおかしいと言っている
  • 冗談が通じないのか
  • 心配して言ってやっているだけだ

このタイプは、記録の有無で後の見え方が大きく変わります。言われた本人の記憶だけが根拠だと、相手が否定した時点で話が止まってしまうためです。

無視・ため息・舌打ちなど態度で圧をかける言動

言葉を使わずに不機嫌さを示し続け、相手に顔色をうかがわせる形の言動です。録音や文面が残りにくいため見落とされやすい一方、日常への影響は言葉による否定と変わりません。

  • 話しかけても返事をせず、数日間口をきかない
  • 質問すると大きなため息をつく
  • 舌打ちをする・鼻で笑う
  • ドアを強く閉める・物を音を立てて置く
  • 目を合わせず、聞こえないふりを続ける
  • 食事の席で一人だけ会話に入れない
  • 機嫌の良い日と悪い日の差が大きく、家族が常にうかがっている

「何も言われていないのだから問題ではない」と本人が考えてしまいがちなところですが、家庭内の力関係を固定させる働きは言葉と同じです。記録するときは、無視が何日続いたかという形で残すと状況が伝わります。

生活費や支出の管理で追い込む言動

お金の流れを一方が握り、他方が生活のたびに許可を求めなければならない状態にする言動です。金額の多寡だけでなく、渡す・渡さないを機嫌で決める点が問題になります。

  • 生活費の額を月ごとに気分で増減させる
  • レシートを1枚ずつ確認し、使途を追及する
  • 必要な支出まで無駄だと言って認めない
  • 自分の収入額を一切明かさない
  • 相手名義の口座やカードを管理し、自由に使えないようにする
  • 子どもの学費や医療費の相談に応じない
  • 相手が働くことに反対し、収入を持たせない

生活費を渡さない行為そのものは、モラハラとは別に婚姻費用の問題としても扱われます。

【関連記事】経済的DVとは|生活費が足りない場合の対処法と相談先を紹介

子どもや親族を巻き込む言動

相手を直接責めるのではなく、子どもや親族を経由して追い込む言動です。子どもが板挟みになるため、家庭内への影響が広がりやすいタイプでもあります。

  • 子どもの前で相手を批判する
  • 子どもに「母さんはおかしい」と言い聞かせる
  • 子どもに相手の行動を報告させる
  • 子どもの問題が起きたときに相手だけを責める
  • 相手の実家や親族を繰り返し侮辱する
  • 相手が親族や友人と会うことに口を出す
  • 親族の前で相手を叱る
  • 子どもに会わせないと口にする

子どもの前で一方の親を否定し続ける行為は、離婚後の親権や親子交流の取り決めを判断する場面でも考慮されます。2026年4月1日に施行された改正民法により、家庭裁判所が親権者を判断する際に考慮すべき事情が条文に定められました。

モラハラと夫婦喧嘩の線引き

言われた側がつらいと感じたかどうかだけでは、モラハラと夫婦喧嘩を切り分けられません。強い言葉が出る言い争いは、対等な関係でも起こるためです。

一方で、伝えている内容が正当であっても、伝え方や頻度によっては問題として扱われる場合があります。線引きの手がかりは内容の正しさではなく、その言動が相手を支配する働きをしているかどうかにあります。

一過性の言い争いと継続的な支配の違い

同じ「ひどい言葉」であっても、次の3点で見え方が変わります。

見る点 夫婦喧嘩に近いもの モラハラとして扱われやすいもの
関係の形 双方が言い返せる 責める側と受ける側が固定している
続き方 その場で終わる・後で謝る 数か月から数年にわたり繰り返される
生活への及び方 特定の話題に限られる 支出・交友・服装など生活全般に広がる

とくに見ておきたいのが関係の形です。言い返せば倍になって返ってくる、あるいは数日間の無視が始まるという経験を重ねると、言い返すこと自体をやめます。その状態を「喧嘩にならないから問題がない」と本人が受け取ってしまうことがあります。

内容が正しい指摘でも問題になる場合

家計の使い方や家事の分担について、指摘の中身自体は的を射ている場合もあります。それでも、次のような形をとると別の問題になります。

  • 何時間も繰り返し責め、途中でやめさせない
  • 子どもや親族の前で叱る形にする
  • 謝るまで無視を続ける
  • 過去の同じ件を何年にもわたって持ち出す

内容の正しさは、伝え方を正当化する理由になりません。こうした形が繰り返されているときは、言われた側に落ち度があったとしても、婚姻関係そのものの問題として扱われる場合があります。

妻から夫への言動が問題になるケース

モラハラは夫から妻に向けられるものだけではありません。妻から夫への言動でも、収入や仕事のしかたを繰り返し否定する、家庭内で口をきかない期間を作る、子どもに父親を否定する言葉を教えるといった形で同じ構造が生じます。

家庭裁判所に持ち込まれた事件の統計でも、夫からの申立て15,355件のうち「精神的に虐待する」を動機に挙げたものが3,320件ありました(令和7年の司法統計。動機は主なものを3個まで挙げる方法で集計されています)。夫が受ける側に立つ事案も一定の数で存在します。

【関連記事】モラハラ妻に疲れた・限界の方へ|特徴チェック・対処法・離婚の判断基準を弁護士が解説

自分の言動をモラハラだと指摘されたとき

配偶者から「あなたの言い方はモラハラだ」と指摘され、心当たりがないまま別居や離婚を持ち出されるケースもあります。この場合にまず必要なのは、反論の材料をそろえることよりも、どのやりとりを問題とされているのかを具体的に確かめることです。

指摘の内容がはっきりしないまま話し合いを続けると、双方が「わかってもらえない」と感じる状態が固定します。日時と場面を挙げて確認していくと、認識の食い違いがどこで生じているかが見えてくる場合があります。

自分がしている言動なのか、相手の受け取り方の問題なのか、どちらとも判断がつかない段階でも、当事務所ではご相談を受け付けています。個別の事情により結論は異なりますので、判断に迷う段階でお話をお聞かせいただければ、想定される見通しをお伝えできます。

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モラハラの言動に対する法律上の評価

モラハラに当たる言動があること自体で、離婚や慰謝料が自動的に認められるわけではありません。同じ言動が、離婚原因の場面・慰謝料の場面・保護命令の場面・親権の場面で、それぞれ別の基準で判断されるためです。

どの制度で何が問われるのかを分けて把握しておくと、残しておくべき記録の内容も変わってきます。

離婚原因として認められる場合

相手が離婚に応じない場合、裁判で離婚が認められるには民法770条1項に定められた事由が必要です。モラハラは同項1号から3号(不貞・悪意の遺棄・3年以上の生死不明)には当たらないため、4号の「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するかどうかが問われます。なお、かつて4号に置かれていた「強度の精神病」は2026年4月1日に施行された改正民法で削除され、一般条項である「婚姻を継続し難い重大な事由」が4号になりました。

この判断では、言動の内容だけでなく次のような点が見られます。

  • 言動が続いた期間と頻度
  • 夫婦の関係が回復し得る状態にあるか
  • 言動によって心身に生じた影響
  • 別居の有無とその期間

1回の暴言では認められにくく、長期にわたる継続とそれによる関係の破綻が示されることで認められやすくなります。判断は個別の事情によって変わるため、似たような言動でも結論が分かれる場合があります。

慰謝料が認められる場合と難しい場合

モラハラを理由とする慰謝料は、民法709条・710条に基づく損害賠償として請求します。違法な行為によって精神的な苦痛を受けたことが前提になるため、次の2点が問われます。

  • 相手の言動が、社会生活で許される限度を超えていたか
  • その言動によって精神的な苦痛が生じたか

難しくなるのは、この限度を超えていたと示せるかどうかです。不貞やDVと違い、モラハラは第三者が見て確認できる痕跡が残りにくいため、どの程度の言動がどれくらいの期間続いたのかを具体的に示せないと、夫婦間の口論の範囲にとどまると評価されることがあります。

【関連記事】モラハラで離婚する場合の慰謝料相場|慰謝料請求が難しい理由

保護命令の対象になる言動の範囲

配偶者から身を守る手続として、地方裁判所に保護命令を申し立てる方法があります。2024年4月1日に施行された改正配偶者暴力防止法により、この対象が広がりました。

改正で加わったのは「自由・名誉又は財産に対する加害の告知による脅迫」を受けた場合です。身体への暴力や、生命・身体に対する脅迫に限られていた従来の枠から、精神的な危害の告知も含まれる形になりました。あわせて接近禁止命令等の有効期間が6か月から1年に伸ばされ、電話等禁止命令の対象に連続した文書送付やSNSの送信・深夜早朝の送信・GPSによる位置情報の無承諾取得などが加えられています。保護命令に違反した場合の罰則も、2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金に引き上げられました(警察庁「令和6年版 犯罪被害者白書」)。

ここで押さえておきたいのは、対象になったのが「加害の告知による脅迫」であり、人格を否定する暴言のすべてではないことです。「殺す」「実家に火をつける」「会社に言って辞めさせる」といった加害の告知は対象になり得ます。一方で「お前は何をやってもだめだ」という否定の言葉が繰り返されている状態は、それだけでは保護命令の要件に届かない場合があります。

保護命令の対象にならない言動であっても、離婚原因や慰謝料の場面では評価されます。保護命令が出せるかどうかと、離婚や慰謝料が認められるかどうかは別の問題として考えておきましょう。

親権と親子交流への影響

2026年4月1日に施行された改正民法により、離婚後の親権のしくみが変わりました。協議離婚では、父母の協議でその双方または一方を親権者と定めることになり、共同親権を選ぶことができます(民法819条1項)。

そのうえで、裁判上の離婚や親権者の変更など裁判所が判断する場面では、民法819条7項に考慮すべき事情が定められました。同項は、父母の双方を親権者と定めることにより子の利益を害すると認められるときは、父母の一方を親権者と定めなければならないと規定し、その例として次の2つを挙げています。

  • 父または母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがあると認められるとき(同項1号)
  • 父母の一方が他の一方から身体に対する暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動を受けるおそれの有無などを考慮して、父母が共同して親権を行うことが困難であると認められるとき(同項2号)

2号にある「心身に有害な影響を及ぼす言動」は、身体への暴力と並べて書かれています。モラハラに当たる言動がこれに該当し、共同して親権を行うことが困難だと認められる場合には、単独親権と定められる方向で判断されることになります。ここでも記録の有無が、主張を支える材料になります。

なお、この規定が直接対象としているのは裁判所が判断する場面です。父母が協議して双方を親権者と定める協議離婚の場面を規律する条文ではないため、モラハラがあれば必ず単独親権になるという性質のものではありません。また、施行日より前に成立した離婚は単独親権のままで、共同親権に変更するには家庭裁判所への申立てが必要になります。

親子交流についても、子と別居する親や親族との交流に必要な事項は父母の協議で定め、協議が調わないときは家庭裁判所が定めるとされました(民法817条の13)。家庭裁判所の手続の中で交流を試しに実施するよう促す制度も設けられ、子に有害な言動をしないなどの条件を付けられます(家事事件手続法152条の3)。あわせて財産分与を請求できる期間が離婚から2年から5年に伸ばされています(民法768条2項ただし書。改正の内容は法務省の解説ページで公表)。

司法統計にみる精神的な虐待を動機とする申立て

家庭裁判所に持ち込まれた婚姻関係事件について、最高裁判所が申立ての動機を集計しています(最高裁判所「令和7年 司法統計年報 3 家事編」第19表)。

妻からの申立ての動機 件数 割合
性格が合わない 15,646件 37.1%
生活費を渡さない 12,137件 28.8%
精神的に虐待する 10,995件 26.1%
暴力を振るう 7,025件 16.7%
異性関係 5,393件 12.8%

妻からの申立て42,136件のうち、「精神的に虐待する」を動機に挙げたものが10,995件ありました。ただしこの統計は、申立人が挙げた動機のうち主なものを3個まで数える方法で集計されているため、割合の合計は100%を超えます。順位をそのまま離婚原因の順位として読むことはできませんが、精神的な虐待を動機に挙げた申立てが令和7年の1年だけで1万件を超えていることは読み取れます。

モラハラの言動を記録に残す方法

モラハラに当たる言動は形が残りません。相手が否定した場合に何も示せないという事態を避けるため、記録の有無が後の主張の通りやすさに影響します。

記録は完璧である必要はありません。細かく整えようとすると続かなくなるため、毎日数行でも残し続けられる形にするほうが結果として役に立ちます。

記録に書き残す内容

最低限そろえたいのは、いつ・どこで・何を言われたかの3点です。そのうえで次の項目を加えると、当時の状況が伝わりやすくなります。

項目 書き方の例
日時 2026年8月3日 21時30分ごろ
場所 自宅のリビング
きっかけ 子どもの塾の費用について相談したところ
言われた言葉 「働いてもいない人間が金の話をするな」とそのまま書く
態度 30分ほど責め続け、その後3日間口をきかなかった
同席者 長男(小学5年)が同じ部屋にいた
自分の状態 その日から食欲がなく、朝起きられない日が続いた

言われた言葉は、要約せずそのままの表現で書き残しておきましょう。「ひどいことを言われた」ではなく実際の言葉が書かれていることで、記録としての意味が出てきます。

書く場所は、相手が見ることのできない手帳や、自分だけがログインできるクラウド上のメモが向いています。共有のパソコンやタブレットに残すと、見つかったことでかえって危険が生じるおそれがあります。

録音で気をつけること

自分が当事者として参加している会話の録音は、相手に知らせずに録ったものであっても、証拠として認められることが多いとされています。スマートフォンの録音機能で足りるため、機器を新たに用意する必要はありません。ただし集め方が著しく不当な場合には扱われないこともあるため、次の点に気をつけておきましょう。

  • 録音していることを相手に知らせる必要はないが、気づかれた場合の危険を考えておく
  • 会話の一部だけを切り取らず、始まりから終わりまで残す
  • ファイル名に日付を入れ、別の場所にも保存しておく
  • 端末を相手が触れる状態にしない

録音が取れない場合でも、直後に書いたメモには意味があります。時間が経ってからまとめて書いたものより、その日のうちに残した記録のほうが信用されやすいためです。

第三者が作る記録の意味

自分で書いた記録に加えて、第三者が作成した記録があると、状況の裏付けとして働きます。

  • 心療内科や精神科の診断書・通院の記録
  • 配偶者暴力相談支援センターや自治体の窓口に相談した履歴
  • 家族や友人に送ったメッセージの履歴
  • 相手から届いたメール・LINE・書き置き

体調に変化が出ている場合は、我慢して受診を遅らせないことをおすすめします。受診した記録は、その後の手続で状況を説明する助けになります。

避けたい集め方

証拠を集める行為そのものが問題になる場合があります。次のような方法は避けましょう。

  • 相手のスマートフォンやパソコンに無断でアプリを入れる
  • 相手のアカウントに無断でログインして中身を保存する
  • 相手の車や持ち物に無断でGPS端末を取り付ける
  • 相手を挑発して暴言を引き出そうとする

これらは、集めたものが使えないだけでなく、こちらの責任が問われる可能性があります。挑発して引き出した発言も、状況を作り出したものとして評価が下がりかねません。

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言動が続く状況で自分と子どもを守る手立て

記録を残すことと並行して、生活と安全の見通しを立てておく必要があります。相手を変えようとする働きかけよりも、距離とお金の見通しを確保するほうが、実際に取れる選択肢が増えます。

身の危険を感じる状況では、記録よりも安全の確保が先です。物を投げる・追い詰めて逃げ場をなくすといった行為が出ている場合は、警察や配偶者暴力相談支援センターへの連絡を優先しましょう。

家庭内で距離を取る際の考え方

同居のまま距離を取る場合、言い返して分からせようとするやり方は、状況を悪化させることがあります。相手の言動が強まる場面を把握し、その場面を減らす形で組み立てるほうが現実に沿います。

  • 責められている場面で議論に応じず、話を打ち切って部屋を移る
  • 家計や子どもの大きな決定は口頭で済ませず、文面でやりとりする
  • 就寝する部屋を分け、逃げ道のない場所で二人になる状況を作らない
  • 実家や友人に、いつでも連絡できる状態を作っておく

別居を考えるときの生活費

別居しても、夫婦である間は生活費を分担する義務があります。収入の多い側から少ない側へ支払われるお金を婚姻費用といい、話し合いで決まらない場合は家庭裁判所に調停を申し立てることができます。

収入がない、あるいは少ない状態でも別居できる可能性があるのは、この婚姻費用のしくみがあるためです。

【関連記事】別居中の生活費や養育費はどうやって決める?

公的な相談窓口の使い分け

無料で相談できる公的な窓口があります。相談した記録が残ること自体にも意味があるため、迷っている段階でも利用して差し支えありません。

  • 配偶者暴力相談支援センター(各都道府県・市に設置)
  • DV相談+(プラス)/DV相談ナビ
  • 女性の人権ホットライン(法務省)
  • 自治体の男女共同参画センター

窓口ごとに扱う範囲が違うため、離婚の条件や慰謝料といった法律上の判断が必要な段階では、弁護士への相談に切り替えるほうが早く進みます。

当事務所の解決事例

夫の常軌を逸したモラハラにより、実家に身を寄せざるを得なくなった妻からのご依頼をお受けした事案があります。

争点は親権・養育費・解決金の3点でした。当事務所で受任後、離婚調停を申し立てて手続を進め、調停で離婚が成立しています。親権者は依頼者と定められ、相手方から養育費と解決金の支払いを受ける内容で解決しました。

日常のやりとりで何がどのように行われていたのかを具体的に示せるかどうかは、争点を絞るうえで大きく関わります。事案の内容により結論は異なりますが、記録が残っている事案では、話し合いの段階から論点が明確になりやすい傾向があります。ほかの事案はお客様の声・解決事例のページに掲載しています。

当事務所は設立以来、離婚の分野に注力してきました。年間400件以上の離婚相談をお受けし、弁護士1名と事務員1名の担当チーム制でご対応しています。女性弁護士も在籍しており、来所・ZOOM・土日のご相談やLINEでのやりとりにも対応しています。完全個室とキッズスペースを備えていますので、お子さま連れでもお越しください。

よくある質問

モラハラの言動について、ご相談の場でお受けすることの多い質問をまとめました。いずれも個別の事情によって結論が変わり得る点を含みます。

一度きりの暴言でもモラハラになりますか

言われた側が傷つく言動であることは一度きりでも変わりませんが、離婚原因や慰謝料として法的に評価されるかどうかは別の問題になります。民法770条1項4号の「婚姻を継続し難い重大な事由」は関係が回復し難い状態にあるかどうかで判断されるため、一度の暴言だけで認められることは多くありません。

ただし、内容が著しく人格を否定するものであった場合や、その一言をきっかけに関係が完全に断たれた場合など、経緯によって評価は変わります。一度きりだからと考えずに、その時点で書き残しておくことをおすすめします。

録音がなければモラハラは認められませんか

録音がなくても認められる可能性はあります。日々書き残したメモ・心療内科の診断書・公的窓口への相談履歴・家族に送ったメッセージなど、複数の記録が積み上がることで状況が示される場合があるためです。録音は言われた言葉をそのまま残せる点で強い材料になりますが、それだけが根拠になるわけではありません。

相手が言っていないと否定した場合はどうなりますか

双方の言い分が食い違うため、どちらの説明が状況と整合しているかで判断されます。その場のやりとりを日付とともに具体的に書いた記録がある側の説明が、通りやすくなる傾向にあります。相手から届いたメールやメッセージのように相手自身が残したものは、とくに否定されにくい材料です。

モラハラの言動を理由に保護命令は出せますか

「殺す」「実家に火をつける」といった加害の告知を受けている場合は、対象になり得ます。申立先は地方裁判所で、申立書には配偶者暴力相談支援センターや警察に相談した事実を書く欄があり、相談していない場合は公証人の認証を受けた供述書を添える必要があります(配偶者暴力防止法12条)。

要件に届かないと判断された場合でも、その言動が離婚原因や慰謝料の場面で評価されなくなるわけではありません。個別の事情により結論は異なりますので、身の危険を感じている場合は、配偶者暴力相談支援センターや弁護士にご相談ください。

共同親権が選べるようになった今、モラハラがある場合の親権はどうなりますか

協議離婚では父母の話し合いで決めるため、共同親権にするかどうかも合意次第です。話し合いがまとまらず裁判所が判断する場面では、一方が他方から心身に有害な影響を及ぼす言動を受けるおそれなどが考慮されます(民法819条7項2号)。

なお2026年4月1日より前に成立した離婚は単独親権のままで、変更するには家庭裁判所への申立てが必要です。共同親権と定めた後に事情が変わった場合も、家庭裁判所に親権者の変更を申し立てることができます。

自分の言動をモラハラだと言われました。どう対応すればよいですか

まず、どのやりとりを問題とされているのかを具体的に確かめておきましょう。心当たりがないまま反論すると、認識の食い違いがそのまま残り、話し合いが進まなくなります。

そのうえで、別居や離婚を求められている場合は、応じるかどうかを決める前に、親権・財産分与・婚姻費用がどのように扱われる見通しなのかを把握しておくほうが判断しやすくなります。指摘された側からのご相談も受け付けています。

モラハラの言動を見極めるうえで押さえておきたい点

モラハラに当たる言動は、人格の否定・立場を使った支配・事実のすり替え・態度による圧力・お金の管理・子どもを巻き込む形と、複数のタイプにまたがって現れます。切り分けの手がかりになるのは言葉の強さではなく、責める側と受ける側が固定しているか、それが続いているかという関係の形です。

同じ言動が、離婚原因・慰謝料・保護命令・親権のそれぞれの場面で別の基準で判断されます。どの場面でも共通して支えになるのは、日時と場面と言われた言葉が具体的に残された記録です。

判断がつかない段階でも、今日の分から書き残すことはできます。そのうえで見通しを確かめたいときは、当事務所にご相談ください。お話をお聞かせいただければ、想定される進み方と、いま残しておくべき記録をお伝えします。

お電話は045-264-4527(平日10:00〜18:00)で承っており、LINEでのご相談にも対応しています。

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この記事の監修者

この記事の監修者

中間 隼人Hayato Nakama

なかま法律事務所
代表弁護士/中小企業診断士
神奈川県横浜市出身 1985年生まれ
一橋大学法科大学院修了。
神奈川県弁護士会(65期)