離婚「知っトク」ブログ

浮気や不貞による慰謝料請求はどのように行う? 基礎からわかる慰謝料請求の方法

2022.08.01
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  • 慰謝料

浮気や不貞による慰謝料請求について

そもそも不貞慰謝料とは何かということについては、前回の記事で述べました。詳細については、前回の記事を参照ください。
不貞慰謝料に関する記事はこちら
前回の記事は請求された側の対応について述べましたが、今回は請求する側の対応についてお話しをしたいと思います。
 

請求が認められる金額の相場は?

請求するにあたって、金額の相場が分からないという方は多いのではないかと思われます。
不貞慰謝料請求事件において、どの程度の金額で紛争を解決する合意をするのかは個々の事案により異なります。
したがいまして、相場というものはあってないようなものです。もっとも、訴訟に至った事案での裁判例の集積はありますので、
それらの認容金額からおおよそこの程度の金額が認定されうるということは分かります。
 
一般論ではありますが、不貞行為を原因として夫婦が離婚をしない場合、請求の認容額は50万円~100万円前後、
不貞行為を原因として夫婦が離婚をする場合には、請求の認容額は120万円~200万円前後となることが多いです。
金額は、婚姻期間の長短、不貞行為の回数や期間、不貞行為発覚後の対応等により変動します。
上記で述べた金額はおおよその目安とお考えいただくのがよいでしょう。
 

請求するにあたって必要な事項

弁護士を代理人として請求する場合を想定してお話しします。

相手方を特定できる事項

相手方の氏名、住所や電話番号など相手方が特定できる事項を把握しておくことが必要です。弁護士を代理人として交渉する場合には、
一般的にはまず、弁護士から「受任通知」という代理人となったことや請求内容について記載した書面をお送りすることとなるからです。
相手の名前が分からない、連絡先はSNSしかわからないとなってくると請求は困難となってきます。
相手方に対し、慰謝料を請求したいと考える場合には、氏名、住所または電話番号を知っておくことが必要となってきます。
 
 

不貞関係の証拠の存在

何をどこまで集めるかという問題はありますが、配偶者と不貞相手が肉体関係を有しているという証拠の存在が必要です。
たとえば、配偶者と相手方の顔のわかるラブホテルの入出の写真、
配偶者と相手方の顔のわかる宿泊施設や相手の家への入出の写真(夜に入って朝に出てくる等)の写真があると、不貞関係が強く推認されるでしょう。
 
上記のような客観的証拠がない場合には、
・配偶者と不貞相手のメッセージやSNSのやりとり
・宿泊施設のレシート
・覚えのない高額商品の購入レシート
・配偶者の念書                            などから不貞関係を推認していくこととなります。
これらの証拠を積み上げて不貞関係を認定していくことになるので、証拠化できるように写真に撮っておく等して保存しておくとよいでしょう。
証拠内容等不貞慰謝料の請求に必要なものについてはこちらをご確認ください。
 
 

時期の特定

不貞関係の期間が慰謝料の金額に影響を及ぼすので、可能であればいつからいつ頃まで関係を持っていそうかについて記録をとっておくとよいでしょう。
動きが怪しいと思った時期についてメモをしておくとよいですよ。
 
 

請求の方法について

弁護士を代理人として請求する場合を想定してお話しします。

内容証明郵便等で、不貞相手に慰謝料を請求する

内容証明郵便で慰謝料請求をする場合、送付日や受領日が明らかになります。
相手に対する催告の効果もあります。受け取ったことを確認するためにも、内容証明郵便で請求をすることが多いです。
 

弁護士と不貞相手又はその代理人弁護士とで交渉を開始する

事実関係に争いがあるのかどうか、争いがないとして金額をいくらで合意するのか、
そのほか本件紛争を終結するためにどのような内容を合意するのかを協議していきます。
紛争を終結するにあたっては、たとえば、
①不貞関係を解消する
②同じ会社である場合には私的接触を禁止する
③本件紛争の内容について口外禁止の条項を設ける
④再度不貞関係を持った場合の違約金条項
⑤再度私的接触を図った場合の違約金条項を定める      ということがあります。
 

合意に至った場合には合意書または公正証書の作成

金額やその他の取り決めについて合意に至った場合には、合意書または公正証書を作成します。
慰謝料の支払いが分割払いかつ長期となる場合には、公正証書を作成しておくと、不払いがあった場合に強制執行の手続をとることが可能となるので、
相手方の支払いに不安があるときには公正証書の作成をしておくと安心でしょう。
 

合意に至らない場合には訴訟提起の検討

金額面や金額以外の事情で相手方との合意が得られず、相手方にきちんと請求をしたい、相当な金額を相手方から支払ってほしいと考える場合には、訴訟提起に至る必要があります。
訴訟提起にあたっては、別途費用が掛かりますし、弁護士を就ける必要も出てきます。そのため、費用感なども検討しつつ、訴訟に移行するかどうかを検討するとよいでしょう。
 
 

それぞれの請求段階でのメリット・デメリット

 

協議段階

金額や金額以外の遵守事項について柔軟に定めることが可能です。金額も早期解決できるのであればということで、
相手方において裁判で認められる金額より高い金額で了承することもあります。
金額ではなく遵守事項を定めたいというお気持ちが強い場合には交渉で合意にいたることを目指すのがよいでしょう。
交渉という当事者間の取り決めだからこそできることもあります。
 
他方で、やはり交渉ですので、条件に折り合いがつかなければ訴訟を提起しないと金銭の回収は困難となっていく可能性が高いです。
そのほかの遵守事項についても、相手方の協力を要するものであるので、相手方が拒否した場合には合意事項として取り付けることが難しくなってきます。
自身の中で優先順位が決まっている場合や、早期解決の観点から相応の範囲での金額を支払ってもらえるならばよいというお考えをお持ちであるならば交渉での解決になじむでしょう。
 
 

訴訟段階

交渉が決裂した結果ですので、やはりどうしても対立が先鋭化します。
弁護士への委任も必須でしょう。また、書面でのやりとりになるので、文章化された相手方の弁解を見ることで精神的苦痛がより一層増すということも考えられます。
訴訟を進行する中で、並行して和解を検討することとなりますが、妥結点が見つからないようであれば、尋問期日も設けられ、裁判所に行って話をするという負担もあります。
また、交渉段階では設けることのできた接触禁止や口外禁止などの遵守事項を求めることは、判決に至るならば困難であるという不利益もあります。
他方で、訴訟が進行する中でも和解期日が設けられ、そこで折り合う可能性もあります。
もっとも、最終的には判決という形で裁判所が判断を出しますから、必ず金銭の支払いに関する結論は出ることとなります。
裁判所の判断がほしいという要望が強いのであれば、訴訟に踏み切るということもあり得るでしょう。
 
 

何を優先したいのか?を考える

不貞をされたことによる精神的な苦痛は計り知れないものです。相手に責任をとってほしいと思うのは当然のことです。
しかし、問題を解決したいとなると、自分の中で何を優先するのかということを考えることが必要となってきます。
不貞行為をされたことによる精神的苦痛を解消するために相当な金銭の支払いを受けたいのか、
婚姻関係を継続しようか迷っているので交際関係を解消し、連絡をとることをしないでほしいのか等、ご自身の中で、これだけは譲れないという部分がおありだと思います。
その点を整理して、何を達成したいのかを考えてから弁護士に相談にいくと、ご自身の悩みが解消されるかもしれません。