【離婚】【子の引き渡し】子の引き渡しの審判が認められても相手が応じない場合の2つの方法

子供を連れ去った相手に対して、子の引渡しの審判を申立て、その結果、子供を引き渡すように裁判官が命じた。それにもかかわらず、相手が子供を引き渡さない。

このような場合、相手から子供をどうやって取り返せばいいのでしょうか?

 

1,強制執行

子供を引き渡すよう審判が出た場合は、強制執行をすることができます。

しかし、子供はお金や物ではないので、どうやって強制執行するのでしょうか。

 

2,① 直接強制

(1)直接強制の可否

驚かれる方も多いと思いますが、実は、子供については、物と同じように、執行官が相手方から子供を直接取り上げて引き渡すという方法をとることができます。これを直接強制といいます。

ただし、未成年者であれば、必ずこの方法がとれるというわけではありません。子供には物と違って意思があるからです。

子供が中学生以上の場合は、自律した意思があるといえるため、子供が拒む場合は直接強制をすることはできません。

他方、子供が小学校低学年の場合は、自律した意思を有しているとはいえないと定型的に考えられるため、直接強制が可能とされています。

子供が小学校中学年から高学年の場合は、子供が養育者から独立して自律した意思を持っているかどうか、個別具体的に判断され、直接強制の可否が決められます。

(2)直接強制の方法

直接強制といっても,実際はまず執行官が相手方を説得します。最初から無理矢理子供を取り上げるのではなく、任意に引き渡すようにお話をするのです。

説得に応じない場合は、強制的に子供を取り上げることになります。具体的には、同行している鍵屋が家のドアを解錠させて自宅に入り、執行官が抵抗を排除して実力行使で子供を取り上げます。このとき、執行官は警察に援助を求めることもできます。

なお、執行官の強制執行に対する妨害行為をした人は、強制執行行為妨害罪によって処罰されるおそれがあります。

 

3,② 間接強制

直接強制が可能な場合でも、間接的な手段(間接強制)をとることが可能です。

具体的には、一定の制限期間のうちに子供を引き渡さないときは、一定の制裁金を支払わなければならない旨の警告をします。制裁金は、1日1万円から数万円の場合が多いですが、相手方の収入が多い場合は10万円以上となることもあります。制裁金を支払わない場合は、相手方の預金などの財産や、給料に強制執行をかけることができます。

ただし、相手方が子の引渡しに協力しているのに、子供が子供自身の意思で引き渡されることを拒んでいる場合など、相手方が子の引渡しを妨害したとはいえないときは、間接強制は認められません。

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